裁判所 (地方制度) (Court (local administrative organ))
地方制度としての裁判所(さいばんしょ)は、明治元年(1868年)に、京都の新政府が諸藩に属さない直轄地を治めるために設けた地方行政機関である。
司法権を行使する裁判所とは性格が異なる。
政府は、裁判所に総督と副総督を置いた。
明治元年1月27日に大坂に設けたのを初めとして、個別に総督、副総督の任命を発令し、同年4月までに12の裁判所を設けた。
大坂、兵庫、長崎、大津、京都、横浜、箱館裁判所、越後府新潟裁判所、佐渡、笠松、府中、三河裁判所である。
裁判所の場所と総督
大坂裁判所:大阪府:??
兵庫裁判所:兵庫県:東久世通禧
長崎裁判所:長崎県:沢宣嘉
大津裁判所:滋賀県大津市:長谷信篤
京都裁判所:京都府:??
横浜裁判所:神奈川県:東久世通禧
箱館裁判所:北海道:清水谷公考
越後府新潟裁判所:新潟県:四条隆平
佐渡裁判所:新潟県:滋野井公寿
笠松裁判所:岐阜県:大原重徳
府中裁判所:京都府:??
三河裁判所:愛知県:平松甲斐権介時厚
江戸には、明治元年5月に江戸府が設置され、その下に民政裁判所、市政裁判所、社寺裁判所の三つの裁判所が置かれた。
この裁判所は、江戸幕府の奉行所と郡代支配所の機能を引き継ぎ、当座の行政の空白を埋める必要から設けられたものである。
設置の当初は戊辰戦争の最中で、新潟、佐渡、箱館は新政府の支配の外にあった。
政府は、同年閏4月21日に政体書を出して、府藩県三治制を敷くことを布告した。
これに従って、各裁判所は順次、府または県に変更されていった。